2023/12/06 09:00

こんにちは、京都の琥珀糖屋さん「くいしんぼうギャング」です。
前回はサトウキビからどのように砂糖がつくられていくか解説しましたね。今回はテンサイ編となります。もしサトウキビからどのように砂糖が作られるか知りたい方は前回のブログ「サトウキビから作る砂糖」をぜひチェックしてみてください。それでは早速みていきましょう!

【1】てんさい

砂糖の原材料としてサトウキビがよく知られていますがてんさいも砂糖大根ともいわれる砂糖の原料として有名なものの一つです。
てんさいはビートともいわれる植物でよくカブに形状は似ていますが、ホウレンソウのなかまとされる植物です。砂糖の市場に流通しています。砂糖は国内外価格差が大きいため日本の砂糖の自給率は34%にとどまっています。そのうち8割はてんさい糖となっており日本の整糖産業の柱となっております。令和元年度(2019年10月〜2020年9月)の国内製糖量のうち8割がてんさい糖となっています。
てんさいは比較的涼しい地域で育ちやすくなっており日本では主に北海道で栽培されています。北海道ではてんさいを輪作、同じ土地で異なる作物を交代で栽培するという方法で栽培されています。

【2】てんさいから砂糖へ

①収穫したてん菜を小さく切り刻みます。このときテンサイは細長くコセットと呼ばれる千切り大根のような状態にします。
②切り刻んだてんさいを 70度前後の湯に入れて糖分を抽出します。
③石灰乳を加え、炭酸ガスを吹き込んで、生成する炭酸カルシウムに不純物を取り込み、沈殿させます
④沈殿物をろ過して取り除きます。
⑤糖液をイオン交換樹脂に通し、糖液中の色素など残りの不純物を吸着させて取り除きます。この工程を経ることで糖度を15%から60%にまで濃縮することができます。
⑥糖液を真空結晶缶の中で濃縮し、結晶を作ります。
⑦遠心分離器にかけて結晶と糖液の混合物から結晶を取り出します。

基本的には前回のサトウキビと精製方法はほとんどおなじといえますね。

【3】てんさい糖について

てんさいからも白砂糖は製造され流通しています。それではてんさい糖とは何を指すのでしょうか?てんさい糖はてんさいを煮詰めた時に出た糖蜜を乾燥させたもの、白い砂糖はその際糖液から分離する結晶成分であるという大きな違いがあります。てんさい糖は低消化性であるオリゴ糖が上白糖に比べ多くふくまれており腸内環境を整える働きをしてくれます。また未精製のためミネラル成分が豊富に含まれており優しい甘さが特徴的となっております。

【4】三温糖とてんさい糖の違い

てんさい糖は先ほどの通り、てんさいを煮詰めた時に出た糖蜜を乾燥させたものです。
その一方で三温糖はてんさい糖と見た目がよく似ているように見えますが、実際は三温糖の方が茶色味が強く見え、てんさい糖の方がサラサラした見た目がしているように見えます。また三温糖は上白糖に比べ甘味が強くカラメル風味が感じられるものです。三温糖はさとうきびまたはてんさいが原材料で、上白糖を作る際に出る糖液を煮詰めたものです。薄く色がつくのは糖液を煮詰めることによってカラメル化するからです。上白糖を煮詰めてカラメルソースを作るときと同じ現象です。カラメル化によってコクがあり香ばしい風味になっているのが特徴的といえます。

まとめ

砂糖大根ともいわれるてんさいもサトウキビと同様に不純物のろ過を繰り返して再結晶を行うことで砂糖を精製している!

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