2023/11/22 16:11

京都の琥珀糖屋さん「くいしんぼうギャング」です。
琥珀糖は表面のシャリシャリとした食感と中のモチモチした寒天の食感が特徴の和菓子です。そんな琥珀糖に欠かせないのはまさに砂糖!!本日は砂糖がどのように生まれ流通していったのかその過程に迫ります!

【1】砂糖の始まり

紀元前8000年、今のニューギニア諸島(赤道の少し南、オーストラリアの北側にあるアセアニアに属する島々)でさとうきび発祥の伝説が残っています。サトウキビの皮を剥ぎ茎を噛んで甘い汁を飲んでいたそうです。紀元前6世紀頃のインドのサンスクリットの書物からは医薬用と思われる数種の砂糖の製造が記されてます。この書物から紀元前6せいきからインドで砂糖製造が行われていたことがわかりますね。ですがそれ以前にインドネシアで砂糖が作られていた説もあり、砂糖の製造起源には諸説あります。


その後紀元前327年にインドに遠征したアレクサンドロス大王の書物にさとうきびと黒砂糖のようなものの記述が残っています。インドは最初にサトウキビから砂糖を作り出したとされており砂糖発祥の地となっています。そのため英語の「sugar」は、フランス語の「sucre」はサンスクリット語の「sankara」が由来とされています。その後インドを中心に砂糖が各地域に伝播していったのです。


西はインドからイスラームを経由してヨーロッパ、エジプトにまたそこからアフリカに、東は中国、日本まで伝播していきました。
当時の商人の砂糖伝播における重要性は計り知れませんね。

【2】欧米と砂糖の歴史

7世紀頃すでにイスラーム帝国では高い製糖技術が確立されており、そこからヨーロッパに砂糖の精製法が伝播しました。8世紀にはスペインでさとうきびが栽培されるようになりました。ヨーロッパでは当初商業が発展していたベネチアに砂糖が集中的に集まっていましたが十字軍の活動により11世紀までにはヨーロッパ全土に砂糖は広まりました。

中世ヨーロッパでは砂糖は薬として用いられました。結核の治療など10種類以上の効能があるとされたり、薔薇の砂糖漬けが熱冷ましとして用いられたりしました。

その後12世紀頃からヨーロッパ全域に王侯貴族、聖職者などの上流貴族の間に贅沢品として広まりました。14世紀にコロンブスの大航海の際にアメリカ大陸にアフリカのサトウキビが移植されました。このことが南北アメリカ大陸の砂糖製造の始まりとなったのです。ヨーロッパ各国の植民地政策により南アメリカではさとうきび栽培のプランテーションがさかんになりました。
 
16世紀には特にイギリスではコーヒーを飲む習慣が普及し、砂糖の消費量は増大しました。そして1650年にコーヒー・ハウスがオックスフォードに出現しました。このコーヒー・ハウスは貴族やジェントルマンの間で社交場として機能するようになりました。その後コーヒー・ハウスで紅茶を砂糖に入れて商品として提供するようになりました。19世紀になると産業革命が終わり紅茶や砂糖が一般家庭にも流通するようになり庶民の生活に定着していったのです。

【3】日本と砂糖の歴史

砂糖に関する日本の最古の記録は8世紀奈良時代に中国から伝播したと言われています。伝播には日本に正しい仏教を広めようと伝来した鑑真の影響が大きいと言われています。

平安時代から鎌倉時代にかけては砂糖は主に薬として用いられておりごく一部の上流階級の間でのみ知られたものであったそうです。平安時代の甘味としてはハチミツや飴、甘葛などがあったとされています。
 
鎌倉時代の終わりから室町時代にかけては中国との日明貿易により砂糖が輸入されるようになりました。15世紀に茶の湯が武士や貴族の間で興り、砂糖饅頭や砂糖羊羹などが茶の湯で見られるようになりました。
 
さらに16世紀にはじまった南蛮貿易によりカステラや金平糖といった西洋菓子とともに砂糖がたくさんもたらされるようになりました。
18世紀以降になると江戸幕府による砂糖の国内製造推進により現在の奄美大島や琉球国でも黒砂糖の製造がされるようになり、甘薯生産に取り組むようになりました。その結果江戸時代末期には駄菓子などを通じて庶民にも砂糖が普及していったのです。

まとめ

・砂糖の歴史はインドまたはインドネシア発祥とされるが諸説ある!
・砂糖はとても高価な貴重品であり薬として用いられることが多かった!

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